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大判カメラ(シノゴ)のアオリ操作 その3(スイングアオリ)

「 大判カメラ(シノゴ)のアオリ操作 その2 」 の続き。
 
 
 
最後に回転アオリの スイングアオリ を見てみます。
 
サンプルに選んだ被写体がコレ。
      ↓ 
自分が製作した鉄道模型レイアウト
 
スイングアオリはこんな感じ。
  

アオリ操作をする前のホースマン
レンズの光軸がフィルムのセンターを通ります
  

 

これが、レンズのスイングアオリ
レンズを右・左に向けて首を振るアオリです
レンズのスイングを使うと、レンズの光軸がフィルムのセンターから外れ
なおかつ、光軸がフィルムに対して斜めに入っていきます
  

アオリ操作をする前のタチハラ
レンズの光軸がフィルムのセンターを通ります
  

 

これが、フィルムのスイングアオリ
フィルムを右・左に向けて首を振るアオリです
フィルムのスイングを使うと、レンズの光軸がフィルムのセンターを通りますが
光軸がフィルムに対して斜めに入っていきます
 
レンズとフィルムのスイングアオリ、アオリ効果はほぼ同じ。
違うところは、被写体の歪み(形)の変化。
レンズでのスイングアオリは被写体の歪み(形)はコントロールできませんが、フィルムでのスイングアオリは被写体の歪み(形)のコントロールができます。
 
実際にどのような効果があるかというと・・・
  

アオリを使わず、レイアウトを見下ろしてみました
レンズの絞りは解放で、この状態だと赤線の横方向にしかピントが合いません
デジタル一眼レフと同じ写り方です
 
      ホースマンのピントグラスに写っている実際の像を
デジカメで撮ったので画質は最悪ですが・・・
 
 

レンズを左に(首を)振ったスイングアオリで、ピントを合わせてみました
レンズの絞りは解放ですが、このアオリでは赤線の斜め方向にピントが合います
 
スイングアオリは、例えば左手前から右奥に伸びる街並みなどを撮るときに使ったりしますね。
スイングアオリを使った結果、左手前にピントが合い左奥はピンボケ、そして右奥にピントが合い右手前はピンボケになります。
この効果を利用すると、うるさい部分のピントをぼかす なんていう使い方も有りかな。
 
 
 
これが、 大判カメラ の アオリ の全てです。
結構面白いでしょ。
大判カメラの魅力の一つ、アオリを実感して頂けましたか?
ただ、このアオリは大判カメラ全般(アオリができない大判カメラも少々ありますが)と、富士フィルムで販売されていた中判(6×8判)一眼レフでしか使えない機能です。
デジタル一眼レフでは、一般的には使えません。
お金が有り余っている方なら、デジタル一眼でもアオリができますが・・・
例えば、キャノンから出ている「TS-Eレンズ 17mm、24mm、45mm、90mm」がアオリレンズです。
 
キャノンのHP(TS-Eレンズカタログ) : http://cweb.canon.jp/ef/lineup/ts-e-extender.html
 
TSというネーミング通り、チルト(T)とシフト(S)のみしか使えません。
カメラを横位置に構えて、チルト・シフトアオリが使えます。
縦位置に構えると、スイング・ライズ・フォールアオリとなります。
あと、キャノンとニコンの一眼レフを使っている方なら、ホースマンから「ホースマンVCCプロ」や、「ホースマンLD」という、大判カメラをベースにした デジタル一眼レフ専用アオリアタッチメント が販売されています。
これらは全てのアオリ操作が可能です。
なにせ大判カメラメーカーが出しているのですからね。
 
 
価格は15万円から20万円程度、ただし本体のみ。
このほかに、レンズ、レンズボード、マウントを買い込む必要があります。
いいレンズを1本買ったら40万円あっても足りません。
ホースマン以外の大判カメラメーカーからも、同様なデジタル一眼レフ専用アオリアタッチメント販売されています。
興味があれば、ネットで検索してみて・・・
 
 
 
これが、暇つぶしの大判カメラ遊び(ついでにアオリのレクチャー)でした(笑)



「 大判カメラ(シノゴ)のアオリ操作 その1 」 、
「 大判カメラ(シノゴ)のアオリ操作 その2 」 も読んでね。
                  ↓




追記:シノゴ(大判カメラ)での測光方法(露出の決め方)は、このブログを見てね。
   スポット測光による露出の決め方(測光方法)のブログと、
   スポット測光で撮影したポジフィルムの現像結果のブログです。
   実際の撮影によるアオリ効果も確認できますよ。
                     ↓
   測光方法のブログ : http://blogs.yahoo.co.jp/kakusan_no1/13953051.html
   現像上がりのブログ : http://blogs.yahoo.co.jp/kakusan_no1/13989990.html

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コメント

非公開コメント

No title

大判カメラアオリの全て難しすぎてわかりません(#^.^#)
レンズ40万これまた手がでません
今持っているカメラもふんぱつして買ったので
上を見たらきりがないと自分に言い聞かせてます
向上心のなさが出てしまったわぁ

No title

>大判カメラアオリの全て難しすぎてわかりません(#^.^#)

yukariさん、アオリを知ったら面白くなりますよ。
VCCプロといいレンズを買うと40万円かな。
安いレンズの組み合わせでも25万円くらいかも・・・?
TS-Eレンズも15~25万円ほどしますからねぇ・・・
高いです。
でもアオリを一度使ってみたら、本当に病み付きになってしまう モノ なんですよ。

No title

カクさん様、昨日ご訪問頂きアドバイスを頂きました「YOSHIKI」です。
あれからカクさん様のブログを拝見させていただき、画像のあまりの美しさに感動しました。
大判カメラを手にしたことから、今後、本格的に勉強していきたいと考えておりますのでご指導のほど宜しくお願いいたします。

No title

YOSHIKIさん、いらっしゃい\(^o^)/

>画像のあまりの美しさに感動しました。

大判カメラ(シノゴ)で撮ったモノは、デジカメとは比べものならない質感があります。
これを一度味わってしまうと病み付きになります。
それと、都内で開かれている 大判カメラによる写真展 に行かれてみては?
いい見本が沢山ありますよ。

No title

カクさん、こんばんは。

専門的すぎて、頭が(;☉ฺд☉ฺ)ボンっ!!
クラクラしちゃいました。
こんな難しいカメラを使いこなすってスゴイです!
本格派のカメラはやっぱ一味違いますね!

No title

難しい講義でした(^^;)
アオリとは光軸をオフセットするということでいいのかな?
デジイチではフルサイズCMOSセンサーでも35mmしかないわけですから
大判フィルムじゃないとその効果もないってことですね。

うぅ~ん、わかったようなわからないような・・・(^^;)

No title

こんばんは。
アオリの言葉すら知りませんでした~
レンズとフィルムの、位置関係・角度を変える操作なんですね。
被写界深度に頼らないピントコントロール・歪みの調整(あるいは逆に創出も?)、初めて知りました。
基本的な調整が全てマニュアルの上に、このアオリの効果をどう使うかの検討もして、被写体と向き合うことになるんですね。
同じ風景を前にしても、その人の技量やセンスによって、作品が大きく変わって来そうな大判カメラですね。
丁寧な説明ありがとうございました。

No title

>専門的すぎて、頭が(;☉ฺд☉ฺ)ボンっ!!

じゅんさん、頭がパンクしましたか・・・(^^ゞ
でも、これが大判カメラの魅力なんですよ。
アオリを使ってピントやゆがみをコントロールして作品を作っていく・・・
この手作業の行程が楽しいのですよね。

>こんな難しいカメラを使いこなすってスゴイです!

今は日常茶飯事なので、なんら苦にはなりません(笑)

>本格派のカメラはやっぱ一味違いますね!

これは自分も実感します。
一眼レフでは、高額なアオリ機構のアダプタ(アオリレンズも含め)を使わないといけませんから。

No title

>アオリとは光軸をオフセットするということでいいのかな?

でんさん、その考えで当たりです。
アオリとは光軸をオフセットして、ピントや歪みのコントロールする技法です。

>大判フィルムじゃないとその効果もないってことですね。

それはありますね。
一番わかりやすい事では、コンデジの小さなCMOSより、フルサイズ一眼CMOSの方が、同一焦点距離(同一絞り値にもして)のレンズを使った時のボケ味に現れます。
COMSが大きい方がボケ味が大きいですよね。
どれと同じ効果が大判カメラでも同じ事です。

No title

>アオリの言葉すら知りませんでした~

nakabayashiさん、デジタル全盛の今では当然のことだと思います。
なにせ、蛇腹のカメラ なんてフィルム時代の化石ですから。

>被写界深度に頼らないピントコントロール・歪みの調整(あるいは逆に創出も?)、初めて知りました。

これもアオリ操作の特権です。
暗い被写体で絞りを開放にしないと撮れない状況でも、ピントのコントロールができる、それがアオリです。

>基本的な調整が全てマニュアルの上に、このアオリの効果をどう使うかの検討もして、被写体と向き合うことになるんですね。

それこそが、カメラの基本なんですよ。
シャッターレリーズを押せば撮れる というデジタルAFカメラは、構図以外はカメラが勝手に(開発者の意志で)決めてしまいますからね。
全ての行程を撮影者の意志でカメラをコントロールするのが大判カメラ(フルマニュアルカメラ全般)なんですよ。

>同じ風景を前にしても、その人の技量やセンスによって、作品が大きく変わって来そうな大判カメラですね。

だからこそ自分のオリジナリティが発揮できるのです。

No title

カクさん様、またまたコメントさせていただきます。
大判カメラ(シノゴ)のアオリ操作1~3を拝読させていただき、大変参考になりました。
まあ、何事もそうだとは思いますが、まずはカメラに慣れることが大切かと思いますので、カクさん様のブログと昨日届いた「木戸嘉一著・・・大判カメラマニュアルをお師匠さんとして勉強を初めて行くつもりです。
もし機会がありましたら、一度、カクさん様に直接お会いしてご指導を賜われればと願っております。

No title

>まずはカメラに慣れることが大切かと思います

YOSHIKIさん、それが大切ですね。
まずは、撮らずにアオリ操作に慣れる必要はあります。

>もし機会がありましたら、一度、カクさん様に直接お会いしてご指導を賜われればと願っております。

いいですよ。
千葉と埼玉なら、中間点の茨城か神奈川などがいいかも。
筑波があるし、江ノ島や三浦もポイントが多いから。
ただ、夏休みの時期が終わってからがいいかな。
大判を使うのには、猛暑と混雑が天敵なので・・・
熱中症にかかりやすいんですよ。
大判は1時間以上も構えていることが多いので・・・

No title

レンズ部分が首を振れることやアオリという言葉を始めて知りました。写真を提示しながら説明されていましたので、よく理解できました。ナイス!

No title

>レンズ部分が首を振れることやアオリという言葉を始めて知りました。

照さん、これが大判カメラの特権です。
今の世の中、デジタル一眼レフと高級コンパクト全盛ですが、デジタルに出来ない機構がアオリですね。
一部のプロ仕様デジタルバックを使うカメラマンは、デジタルバック専用大判カメラを使ってアオリをやっていますが、それはごく一部のプロです。
なにせ受光部だけのデジタルバック(レンズを外したミラーレス一眼に似てるかな)だけで数百万円しますからね。
ちょっとしたプロでも手が出ないんですよ。
だから、フィルムの大判カメラは貴重なのです。
光を読んで測光ができないと撮ったフィルムは全滅しますが・・・

No title

すごーい。でも全然わからない。^_^;
私もあおりっていう言葉も知りませんでしたよ~。
カメラのことを知り尽くしていないとできないのでしょうね。
でも高度な技法だってことはわかります。
カクさんってすごいですね~。
やっぱりプロになるっきゃないんじゃ?

No title

>すごーい。でも全然わからない。^_^;
>私もあおりっていう言葉も知りませんでしたよ~。

nagisaさんもアオリは知りませんでしたか(^^ゞ
一眼レフ・ミラーレス一眼・コンデジでは、アオリ機構は採用されてませんからね。
AF機能(要するにオートフォーカス)が使えないし・・・
ズームも使えない・・・
なので、アオリという言葉は無縁ですよね。
フィルムカメラだってそうです。
大判カメラに興味が無ければアオリと言う言葉とは無縁だし・・・
アオリという言葉を知っていても、大判カメラを使っていないと実践できませんから。

>カメラのことを知り尽くしていないとできないのでしょうね。

そうですね、カメラ という機械を知り尽くさないと・・・
それ以上に、単体露出計で測光し絞りとシャッタースピードを頭の中で算出できないと、デジタル一眼レフのコンピュータが算出する絞りとシャッタースピードと同等の算出を自分の頭で出来ないと、フィルムが全滅しますから・・・

>やっぱりプロになるっきゃないんじゃ?

うーん、なりたい!!
ストックフォトでの販売以上に!!

No title

おはようございます

やはり、プロのカメラマンの方はすごいですね~
こういう撮り方もあるってことでしょうか?
カメラを、右・左に動かして??

難しくてちょっとわかりませんが…
すごい記述だな~と思いました
ナイス凸v(^^*)

No title

>こういう撮り方もあるってことでしょうか?
>カメラを、右・左に動かして??

かおりんさん、レンズ・フィルムを左右に動かして撮ることは日常茶飯事ですよ。
大判カメラならでわの技法が、アオリです。
ピントのコントロールや歪みの補正をして、自分ならではの作品作りをしてますよ。
デジタル一眼レフでは作れない作品作りをしてます。