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シノゴ(大判カメラ)で里山撮影&スポットメータ(単体露出計)によるスポット測光方法

今年のゴールデンウィーク、仕事の関係上何も予定を立てていません。
嫁さんもパートの仕事が入っているし。
工業高校3年(山岳部部長)の長男も、中1の次男(卓球部)も部活が断続的にあるし・・・
それに、長男は選択科目の実習も連休中にあるようだし・・・
とは言っても、連休後半はバーベキューでもしてきますけどね(^^ゞ

連休に入る前、馴染みのカメラ屋さん(川越カメラショップ http://www.kawagoecamera.com/ )に シノゴ(大判カメラ) のフィルムを発注しておきました。
発注したフィルムは、富士フィルムの VELVIA100(ベルビア100) 20シート入りの1箱。
20枚入りのシノゴサイズのシートフィルムで、35mmフィルムカメラに例えるなら20枚撮りフィルムですね。
20枚しか撮れないのに、フィルム代は8700円。
現像費は13000円前後くらいになるかな?
シノゴのフィルム1箱(20枚撮り)で、フィルム代と現像費が2万2000円くらい。
高くなりました。
デジタル全盛の今、需要が少なくなりましたから・・・




これがシノゴサイズのフィルム「VELVIA100」
(ベルビア100)です。
シノゴ(4インチ×5インチ : 10.2cm×12.7cm)
サイズのシートフィルム20枚が入っている外装箱。

このフィルムをフィルムフォルダに入れ替えます。


自分が愛用しているフィルムフォルダ「リスコ社製マークⅡ」。
片面にシートフィルム1枚がセットでき、
両面で2枚撮りとなります。


右のダークボックス内でフィルムフォルダにフィルムを入れます。
本来フィルムの入れ替えは暗室での作業。
でも、自宅には暗室が無いのでダークボックスを使います。
ちなみに、ダーックボックスや暗室でフィルムを入れる・・・
と言う事は、真っ暗闇の中の手さぐり作業となります。
少しでも生のフィルムに光が当たると感光しちゃいますからね。
手探りの作業、慣れないと大変!!
裏表間違えてはいけないし、傷をつけても気ない。
手さぐりでフィルムフォルダに入れる作業は馴れが必要です。
左は、カメラを入れる大型アルミケース。
機材を入れると30kgになります。

今回持ち出した機材は・・・


後ろからアルミケース2個。
大型ケースは、ホースマンとレンズ、フィルムフォルダー用。
小型ケースはタチハラ用。
左手の黒いカメラは、アルミダイキャスト製
テクニカルビューのホースマン 45FA。
右が、北海道産山桜で作られた組み立て暗箱
(ウッドビュー)のタチハラ フィルスタンド45。
レンズは4本とも富士フィルム製。
左からフジノンT400F8(フルサイズ一眼レフ 110mm相当)
フジノンW250F6.3(フルサイズ一眼レフ 85mm相当)
フジノンW150F5.6(フルサイズ一眼レフ 45mm相当)
フジノンSW90F8(フルサイズ一眼レフ 24mm相当)。
露出計は、入射光反射光兼用と、スポット測光専用の2台。
左がセコニック製のデジマスター。
入射光・反射光兼用の露出計。
右がミノルタ製のスポット測光専用のスポットメーターF。
写真にはありませんが、三脚はジッツオ製の5型。
この三脚はヘビー級で重量が10kg近くあります。
ヘビー級の三脚を使う理由は、アウトドアで風にあおられない為。
シノゴは図体がデカいから、風の影響をモロに受けるのですね。
偏光(PL)フィルターも持ち出し・・・

ちなみに、大判カメラ(シノゴやゴノナナ、バイテン)は
フルマニュアルのフィルムカメラ。
シャッターはゼンマイ仕掛けの機械式。
(一部電子シャッターも有りますが、マニュアル専用)
昭和30年代の35mm一眼レフと同じで、
構図・ピント・シャッタースピード・絞りの設定など
全てが手作業のマニュアル。
でも逆に言うと電池が無くても撮れるのがフルマニュアルカメラ。
まぁデジタル全盛の今では、フィルムカメラは生きた化石。
その中でも大判カメラは風前の灯火。

連休前半、断続的に自宅周辺の里山景色をシノゴで撮影してきました。
用事や仕事の合間を縫って1日3時間程度・数枚づつ・・・
20シートすべて使い切りました。
一つの構図で2枚づつ撮ります。
なぜ2枚づつ撮るかと言うと・・・
1枚は自分のストック用、もう1枚は雑誌(新潟県十日町市の棚田の写真は、2014年9月号の 月刊日本カメラ のグラビアで採用してもらいました)や個展(今の所いつになる事やら)などの発表用です。
デジカメなら、同じ写真データを何回もコピーできますが、フィルムでは無理ですからね。
万が一発表用のフィルムがダメになっても、ストック用が保険となるし・・・
まず最初は、村の鎮守様。


シノゴで撮ったアングルをデジカメで撮ってみました。

シノゴをセットし、露出計で測光します。


ホースマンをセットした所。
ピントと構図は決定済み。
レンズを「ライズアオリ」(レンズの上方移動)しています。
アオリとは??
自分のブログを読んでみて・・・


スポットメーターで測光中。
スポットメーターでの測光は経験がモノを言います。
今のデジタル一眼やミラーレスは、多分割測光が主流。
画面を64分割や128分割し測光しています。
要するにカメラがスポット測光で64カ所や128カ所を測光しているのです。
そのデータを一番明るい所と暗い所の露出値の差、
ピントが合っている所の露出値と、その露出値と
周辺の露出値や明るい所・暗い所の露出値の差・・・
などを計算し、なおかつ設計側が撮りためたデータと比較して
当たり障りのない露出値をカメラのコンピュータが決定しています。
当たり障りのない露出値、皆さんも撮影した際
「こんな露出ではダメ」と思われた事があるでしょ。
今のカメラ(というか設計側)では「絶対的な露出値」が
決定できないのです。
理由は簡単で、設計側も撮る側も千差万別、十人十色ですから。
全員の考え方、感情、感じ方が一致することが無いので・・・
自分でスポット測光をマスターすると、
自分の意思にあった「正確な露出」が決定できます。
そのかわり、測光の根本的な基礎ができていないと無理ですが・・・


これがスポットメータのファインダーの視野と測光データ(絞り値)。
デジカメでスポットメータがどの様に見えるかを撮ってみました。
中心の黒丸がスポット測光するエリア。
露出計の設定がISO100で、シャッターを1秒で設定。
今回の構図上、本殿がメインなので肉眼で光を読んだ結果、
露出の中心が屋根になると判断し屋根部分をスポット測光。
この時、本殿の屋根部分の絞りがF=16.5(16と2分の1)。
これを暫定の基準値とします。


白壁を測光。
F=16.5に対し、+0.9EV
(約1絞り分オーバー F=22.4という絞り値)。


壁の部分の測光値。
F=16.5に対し、-1.5EV
(約1絞り半分アンダー F=11という絞り値)。
フィルム上では、かなり暗く表現される部分です。
まだ、この程度では黒く潰れませんが・・・


扉の部分を測光。
F=16.5に対し、-1.6EV
(約1絞り半分アンダー F=8.9という絞り値)。
こちらもかなり暗く表現される部分です。


本殿上部の木を測光。
F=16.5に対し、+2.8EV
(約2絞り半分以上オーバー F=45.3という絞り値)。
この木は色再現ができず真っ白に飛ぶ部分です。
リバーサルフィルムの色再現範囲は、
基準値から見て±2.5EV。
F=11が基準なら、F=4.5~F=22.5が
色再現ができる範囲。
3EVオーバーのF=32なら真っ白に飛ぶし、
3EVアンダーのF=4なら真っ黒に潰れます。

こんな感じにあらゆる場所を測光して、自分の頭の中で計算して露出値を決めます。
測光と計算を数回やり直し事が多々あります。。
そして現像上がりがイメージできる露出値が決まったら、カメラのシャッタスピードと絞り値をセットします。
デジカメのコンピュータが計算している事を自分の頭で行うのがシノゴ(大判カメラ)の醍醐味の一つですね。


ちなみに入射光露出計で測光したデータは・・・
ISO100でシャッター1秒(スポットメーターと同じ設定)で
絞り値がF=22.7(F=22と3分の2)でした。
入射光のデータは本殿に注がれる光(空から、地面の反射光、森の反射光など)
の平均値(基準値)となります。
ちなみに、入射光露出計のデータでシャッターを切ると
デジカメで撮った感じの写真になる測光データとなります。


自分が最終的に決めた測光値。
シャッターは1秒、絞りが16.5(F=16と2分の1)。
入射光の露出値とスポット測光の露出値の差は-1.2EV。
スポット測光のデータが入射光より1絞りちょっとアンダー
(入射光露出計の数値より光量が1絞り程暗いから、
絞りを1絞りちょっと開けて明るくする)となりました。
この露出値が、自分のオリジナリティとなり、
この構図の自分の絶対的露出値となります。
大判カメラのフィルムは、フィルム代と現像費が異様に高いです。
なので1枚も失敗する訳にはいきません。
全てに対しベストな構図、ベストな露出値にしなければなりません。
これは、技術と言うより長年の経験がモノを言います。
露出値が決まった時点で、現像上がりのフィルムの画像状態が
イメージ出来るようにならないと、
フルマニュアルフィルムカメラは使い切れません。
そうそう、大判カメラのレンズはちょっと個性があって・・・
中判やフルサイズ一眼、35mmフィルムカメラで
使われているレンズには無い特性・・・
大判カメラのレンズは、基本設計上絞り値がF=22の時
一番解像度が良い(画質が良い)設計となっています。
なので、測光する時もF=22を基準にする事が多いです。
被写界深度のコントロールは絞り値ではなく
アオリで行う事が多いかな・・・
シノゴは2億万画素に相当する画質を持っているので、
F=22の絞り値前後で使う事が多いのです。
せっかくの高画質を望めるシノゴで狙うのですから・・・

※ フルサイズ一眼の画質が2000万画素として、
シノゴは13倍の面積を持つから2億6千万画素相当。
でもフィルムとデジタルは根本が違うので比較してはダメですが。
ただ、毎度の事ながらシノゴを持ち出すと「何万画素ですか」と
質問されるので、こんな感じに答えています。


現像上がりのシノゴのフィルム。
これがスポットメーターと頭で算出した露出値によるモノです。
カメラ:ホースマン45FA
レンジ:フジノンSW90F8(フルサイズ一眼レフ24mm相当)
フィルム:VELVIA(ベルビア)
シャッター:1秒
絞り:16.5(16 1/2)
アオリ:レンズライズ(レンズ上方移動)
アオリ効果は、デジカメとシノゴの手前左の大木の
写り方をを見ればわかりますね。
デジカメは見上げる構図なので大木が斜めに写ります。
レンズライズアオリを使うと、目視通りに垂直に写ります。

次に撮ったのも村の鎮守様。


村の鎮守様。

そして・・・


こいのぼり。


こいのぼりを撮る自分。
タチハラのカメラで撮影中・・・
こちらも、レンズを「ライズアオリ」しています。

こんな感じで10か所(2枚撮りしているから20カット分)で撮影をしました。


里山田んぼ。


忘れ去られた溜池。


里山雑木林。


里山田んぼの畦道。


里の民家。


里山田んぼの藤と里の景色。
シノゴではレンズ側のフォールアオリと
フィルム側のスイングアオリをしています。


村の鎮守様。

こんな感じの シノゴ(大判カメラ) による自宅周辺の里山撮影でした。
このブログの写真は、シノゴで撮ったアングルをブログ用にデジカメで撮った画像を使っています。
実際には連休明けにフィルムを、馴染みのカメラ屋さん経由でプロラボに現像依頼をします。
現像が上がってきたら、機会を見てフィルムの画像をブログにアップしますね。

オシマイ!!

追記:撮影したポジフィルム、プロラボ(現像所)での現像が完了しました。
   アオリ効果もわかるポジフィルムです。
   そのブログがコレ。
        ↓
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コメント

非公開コメント

No title

Daichiさん、25年くらい前に買ったモノです。
大判カメラは長持ちしますよ。
草津の写真、楽しみにしてますからね(^_^)/~

No title

> カクさんさん
長い間、大切に使っているものなんですね。此れからも、長持ちさせてくださいね。草津の写真を楽しみにして貰えて、僕は大変嬉しいです。

No title

大学時代は,トライXの100フィート巻きを買って,暗室でフィルムローダーという物に詰め替えていました。
カクさんがやっている作業は,それよりもカクだんに難しそうです。

No title

Daichiさん、このシノゴは自分の宝ですから。
大事に使い込んでいきますよ(^_^)/~
Daichiさん草津の写真、早く見たいな。

No title

こんばんは~
大判カメラでの撮影は、とても手間のかかる作業なんですね。
長年の経験とセンスがないと、うまく撮影できそうにありません。
それにしても、フィルムも現像料もかなりの高額になりますね。
デジタルカメラしか知らない私には、まるで別世界のようです。
現像が仕上がってくるのが楽しみですね。

No title

カクさんさん
長い間、大切に使っているものなんですね。此れからも、長持ちさせてくださいね。クラブの物は使い
ますが私はごく普通にデジー面倒だとコンデジですN

No title

私が今イチわからないのがスポット測光なんです。
その部分で光を決めるって言うのかな?
ホントわからない。(@_@;)

高価なフィルムだから失敗は許されないですね。
ぜーんぶ自分で計って決めて・・普通の人間にはできませんって。^_^;

今度すべてマニュアルで撮影できるように指導してほしいです。お願致します。<m(__)m>

No title

> カクさんさん
草津の写真がある記事を貼り付けましたよ。

No title

こんばんは☆難しい事はよく分かりませんが、ものすごい知識と経験、自分なりの感性をお持ちなのだと思います。これだけの重量があると、持ち運びも大変なんでしょうね・・^^

No title

カクさんの腕前と機材はプロ級ですから、傑作が売れているわけですね。
ナイス!

No title

abesan11さん、トライXは自分も使っていました。
ネオパンSSより、トライXの方が自分に合っていましたね。
ただ100フィートのロールは使ったことが無いです。

No title

nakabayashiさん、大判カメラは手間がかかるカメラです。
1枚撮るにも1時間何てザラ。
手早く撮っても20分はかかりますね。
大判カメラは即効性が無いので、カメラをセットした後「良い条件になるまで待つ」という作業も入ります。
1枚撮るのに3時間待ちも有りますよ。
大判カメラを使いこなすには、フルマニュアルフィルムカメラで沢山失敗する事ですね。
失敗する事で解決策を探し出す・・・
これが技術になっていくわけで。
だから長年の経験がモノを言います。
センスは写真以外のいろんなモノを見て触って・・・
なんでもいいから興味持つ事でセンスが磨かれます。

No title

ぎいでーすさん、シノゴは二十数年愛用しているカメラです。
構造が単純で丈夫ですから、大切に使うと100年以上使えるそうですよ。

No title

>私が今イチわからないのがスポット測光なんです。

nagisaさん、それが普通です。
ほとんどの人がスポット測光が分からず使えないですよ。
ごく一部を測光して得られたデータをどう扱うかが出来ませんから。
失敗を沢山(極端に言うと無限に)繰り返し、その失敗から自分なりの解決策を見いだせないとスポット測光はマスター出来ないでしょう。
シノゴのフィルムは高価なので1枚たりとも失敗は許されません。
この失敗が許されない状況に追い込まれたからこそ、スポット測光がマスターできた と言うのも一理あります。

>今度すべてマニュアルで撮影できるように指導してほしいです。お願致します。<m(__)m>

了解しました。
今度時間調整をしましょう!!

No title

Daichiさん、了解しました。
後ほど見に行きます。

No title

永谷かほるさん、大判カメラは長年の経験がモノを言います。
そして自分なりの(他人とはちょっと違う)感性も必要ですよね。
せっかくいい写真を撮るための大判カメラですから、他人とは一味違う感性が無いと宝の持ち腐れになります。

No title

>カクさんの腕前と機材はプロ級ですから、

照さん、腕前はプロ級かどうか??? (^^ゞ
でも機材はプロ級です。
昔のプロ級かも知れません(笑)
自分にとって、大判カメラが一番しっくりときます。
愛着のあるシノゴです。

No title

新緑の里山きれいです~ シノゴの作品、楽しみです。知らないことばかりでしたが、本格的な写真の世界、少しのぞかせていただき、ありがとうございました。m(_ _)m

No title

ハイジさん、大判カメラのシノゴは知らない事が多くて当然ですよ。
今時、プロでもあまり使われなくなりましたから。
昭和の遺産と言うべきカメラがシノゴを含めた大判カメラです。

No title

私はハレキリのために折り畳み傘を使っていますよ